USCPAがやじやじしてる

氷河期世代のUSCPAがうだうだと語ります。受かっているから言いたい放題。監査法人で勤めた後に只今事業会社で勤務中。監査法人で働くUSCPA仲間を増やしたい!!USCPA仲間大集合!!

USCPAの準備にBATIC(国際会計検定)を受けてみるといいかも

USCPA試験を受験するに当たってちょっとネックになってしまうのが、日本の会計士みたいに簿記3級からちょっとずつステップアップして勉強との相性や適性を図るのが難しいところ。

なんとなく憧れてあまり適正もなさそうなのに始めてしまい、思い切って予備校に大金を払ったけどついていけなくてドロップアウトしてしまう最悪の事態は避けたいですよね。

ちょっとやってみて感触を見てみるというのも大事な戦略です。

そんなUSCPA受験の適正を見るためにオススメなのがBATIC(国際会計検定)です。

BATICとは

BATICのざっくりとした概要

BATIC(国際会計検定)は日本商工会議所が主催するいわば簿記検定の英語版

簿記検定との違いは簿記検定が日本の会計基準で試験が行われるのに対して、BATICはIFRS(国際会計基準)で試験が行われること。最近はIFRSを導入する企業も増えてきていますので勉強する価値は大きいです。

簿記検定の英語版的な感じなので、試験問題は当然英語。英語が好きだったり興味がある人にとってはそこまで難しいものではありません。

試験は年に2回!!

BATICの受験チャンスは年に2回です。受験月は例年7・12月です。

そこまで受験者が多い試験ではないのですが年に2回もチャンスがあるのはいいですね。

試験レベル

BATICはレベルに応じて2区分に試験が分かれています。

Subject 2は必須ではありませんが、スコア認定を受けるためにはSubject 1で320点(アカウンタントレベル)を取らないといけないという謎ルールもあります。

また、Subject 1で320点以上を持っている人はSubject 2のみの受験もOKです。

Subject 1でアカウンタントレベルを持っている場合はSubject 2との総合点を出す際にはSubject 1部分が無条件で満点の400点扱いとなります。

レベル区分は以下の通り。

Subject 1(配点400点)…こちらは英文簿記の基礎を問うエリア。日商簿記で言う3級レベルの英語版です。ぶっちゃけ楽勝です。初学者から始めれます。

Subject 2(配点600点)…こちらはIFRSの基礎を問うエリア。USCPA試験のFAR科目の公会計以外の部分位のレベルです。日商簿記なら1級が優しくなった感じですね。受験の目安としては簿記2級以上もってたら結構善戦できるレベルです。

資格認定区分と合格率

BATICは日商簿記のような級ごとの合格制ではなく、TOEIC的な総得点方式。

1,000点満点で獲得したスコアに応じて認定区分が異なります。それぞれの区分については以下の通り。

ブックキーパーレベル(200点以上)…とりあえずの参加賞的な感じでしょうか
アカウンタントレベル(320点以上)…簿記3級レベルの英文会計が理解できているレベル
アカウンティングマネジャーレベル(700点以上)履歴書に書くならここから
コントローラーレベル(880点以上)…このレベルまで行くとUSCPA試験のFARも余裕なはず

各レベルの合格率で見るとAccounting Manager Levelまで行けるのは実受験者の15%程と一見難しそうに見えますが、Subject 1のみの受験者も少なくないため思った程難くはありません。

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出典:BATIC HP 受験者データ(2016年度の試験結果)

こちらが私が持っているスコア認定証。認定証はクレジットカードサイズの結構シンプルな感じです。

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資格には認定期間があります

BATICのアカウンティングマネージャーレベル以上の称号については日商簿記と違って資格に認定期間があります

認定期間は3年間。常に最新の知識をアップデートし続けるのが目的といいつつ、更新料で稼ぐのが真の目的なのでしょうか、正直この制度は鬱陶しいです(苦笑)。

更新期間になると問題と参考用の小冊子が送られてきます。小冊子をひたすら眺めつつ問題を解いて協会に送り返す進研ゼミスタイルな認定試験です。難易度的にはそこまで難しくないのであまり心配する必要はありません。

認定試験に合格するとこのように認定更新結果と共に新しい認定証が送られてきます。 f:id:naoyaji:20171027205348j:plain

USCPA試験への活用法

英語で会計を勉強する適正がチェックできる

英語の会計試験がどんな感じなのか感覚がつかめます。

BATICの勉強のボリュームはテキスト2冊分と比較的コンパクトなため(Subject 2のみならたった1冊分!!)、USCPAの試験勉強や試験の感覚がどういったものか雰囲気をつかむのにちょうどいいお試しサイズとなってます。

教材代も受験代も大してかからないですし挑戦しやすい試験です。

FAR合格レベルの目安になる

BATICはIFRS(国際会計基準)で試験が行われて、USCPAはUS GAAP(米国会計基準)で試験が行わるため会計基準が異なるのですが、最近は双方の基準に極端に大きな差はないため最初にBATICから始めても全然問題にはなりません。

その為、BATICで高得点を取っているとUSCPA試験のFAR科目が相当に有利な状態でスタートできます

その目安は700点以上のアカウンティングマネジャーレベル。アカウンティングマネージャーレベルだとFARの公会計以外の範囲は一通り見ている状態となってるので、FARの勉強を始めても結構スムーズに進めていくことが出来るかと思います。

逆にそこまで行けなかった場合は厳しいことを言いますがUSCPA試験も相当に苦戦が強いられるのが明白なため撤退を考えてもいいかもしれません。

私はコントローラーレベルを持っている状態でUSCPA試験の勉強を始めたのですが、そのおかげかFARは結構楽に合格しました

www.uscpayajiyaji.com

コントローラーレベルを狙うためのBATICの勉強法

私のオススメのBATICの勉強法は公式テキストと公式問題集で基礎固めを行った後に、過去問題集を完全に覚えるまでやりこむこと。

たったそれだけ??とお思いの方もいるかと思いますが、これだけで一気にコントローラーレベルまで行くことが出来る必勝法です!!

インプット:公式テキストと公式問題集で基礎固め

まずは知識のインプットから。

知識のインプットは公式テキストと公式問題集を利用します。独学で大丈夫です。

BATICの場合はマイナー試験という事で使える教材が限られていますが協会公式の教材を使えば基礎固めはバッチリです!!

この時のコツとしてはテキストをそこまで深く考えずにざっと読み進めていき、各チャプターが終わったら問題集の回答を見ながらそれぞれの要点を丸暗記していくことです。

簿記は数学ではないので自分で考えて解く必要はありません。解き方を覚えていくことで各論の大事なところを抑えてスタイルを取ることが効率的なやり方です。

国際会計検定BATIC Subject2公式テキスト〈2019年版〉: 国際会計理論

国際会計検定BATIC Subject2公式テキスト〈2019年版〉: 国際会計理論

国際会計検定BATIC Subject2公式問題集〈2019年版〉: 国際会計理論

国際会計検定BATIC Subject2公式問題集〈2019年版〉: 国際会計理論

アウトプット:過去問題集で一気にコントローラーレベルまで持っていく

これが一番大事です。過去問題集をひたすらやりこんで完全に覚えるまでやりこんで下さい。目標は最低9割は取れるようになること。

BATICは比較的過去に出てきた良問が多く出るタイプの試験ですので過去問題集の利用メリットが相当にあります。

過去問をやりこむことでインプット時にアバウトだったエリアについても知識がどんどん補完されて頭の中で整理されていきますよ。

解き方の分からない問題であっても最初は丸暗記で覚えちゃって大丈夫。繰り返すことに内容が理解されていきます。

過去問で9割以上取れるレベルまで行けば本番で見たことない問題があっても何となく答えが絞れていきます。

それだけでいいのって思う人もいるでしょうが、BATICは競争試験ではないので基礎的な良問が繰り返し出題されるのです。

BATIC(R)(国際会計検定) Subject2 過去問題集 2019年

BATIC(R)(国際会計検定) Subject2 過去問題集 2019年

まとめ

BATICはまだまだマイナーな試験ですが、USCPA試験の前段階で受けてみるにはちょうどいい試験となります。

履歴書的にも日商簿記やその他の会計資格と合わせて持っていくことで、会計に対する英語力やIFRSの知識を有することを証明してくれるなかなかコスパのいい試験ですよ。

日商簿記2級を持っていたら十分にコントローラーレベルまで行けるチャンスはありますので是非受験されることをオススメいたします!!