USCPAがやじやじしてる

氷河期世代のUSCPAがうだうだと語ります。受かっているから言いたい放題。監査法人で勤めた後に只今事業会社で勤務中。監査法人で働くUSCPA仲間を増やしたい!!USCPA仲間大集合!!

USCPAが監査法人で勤めてみて年次の低いうちに学んでおいた方がよかったと思う3つのこと

USCPAとして監査法人に勤めて早数年。

最初はもちろん右も左も分からずただ主査のいいなりだった私も、数年も経つとシニアスタッフとなり(年数重ねれば誰でもなれますが・笑)、外資系企業だけでなく日本の上場企業の主査も務めるまでになりました。

キャリアパスという視点で見るとよくあるベタな王道のキャリアパスを歩んでいるのですが、これまでを振り返ると『もっと年次の低いうちに学んでおけばよかったなあ』と思う事もたくさんあります。

それらの大半は何となくいまさら聞きにくいことばかり。

そこで今回はUSCPAが監査法人で勤めるに当たって年次の低いうちに学んでおいた方よかったなと個人的に思うことをまとめていきますね。

もっとやっておいた方が良かったこと

1. 日本基準の勉強

簿記の考え方ってUSGAAPにしろIFRSにしろJGAAPにしろ借方と貸方があってその中で仕訳が切られるってところは一緒

なのでUSCPAと言えど試験の段階でその辺はそれなりに学んできているわけで、日本の上場企業のクライアントを担当して監査を行うに当たっても基本的なエリアについてはまあなんとかなるもの。ちょっと位理解があやしいエリアが出てきても基準書や前期の監査調書を確認すればある程度はしのげることが出来ます。

ただ、年次が上がっていくと今度はクライアントから会計処理について質問をされる機会が相当に増えていきます。

先方にとってはUSCPAとかJCPAとか関係ないので、日本基準のことであっても普通にUSCPAに質問してきます。

メールで質問が来ればまだ調べて回答する時間もありますが、立ち話の際にいきなり聞かれた場合にある程度の見解を言えないとクライアントについても面目がちょっと立たない訳でこれは避けたいものです。

私も幾度となく『あわわわわ。。。』となる情けないシーンも経験してますが、そういった残念な感じにならないようにするためにも早い段階から日本基準を勉強をしておけばよかったなとちょっと後悔してます(苦笑)。

私の対処法としては簿記1級のテキストをとりあえず読んで知識を補強すること。商業簿記・会計学のテキストを読めば大丈夫です。試験を受けるわけではないので問題集を解く必要はありません。

合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学 (1) Ver.14.0 (よくわかる簿記シリーズ)

合格テキスト 日商簿記1級 商業簿記・会計学 (1) Ver.14.0 (よくわかる簿記シリーズ)

USCPA試験で結構頑張った後にまた簿記1級の本を読むのは結構しんどいものがありますが、基礎を固めておくだけでも仕事のパフォーマンスは相当変わってきます。少なくともクライアントに聞かれて『あわわわわ。。。』となるシーンはそれなりに少なくなるはず。

ちなみに、工業簿記、原価計算はBECレベルの知識があれば仕事上は困らないのでこのエリアについては特に何もしなくて大丈夫。

流石に今から試験を受ける気にはならないのでテキストを読むだけで止めてますが、今もし1年目に戻るとしたらシニアに上がるまでに簿記1級を取得しておくかなあ。

2. 開示の知識の補強

さっきのJGAAPの延長線上にあるのが開示。

日本で会計士業務を行う以上、会社法の開示や決算短信に有価証券報告書とそれなりに日本のルールに従ってチェックをしないといけない仕事も多いです。

USCPAだからといって米系の外資系企業ばかりやるなんてことはなく、当然日本企業のクライアントも担当しないといけないので開示の知識は必須。

ついでに言うと外資系企業にしたって規模が大きいと会社法の計算書類を提出しないといけなくなるもので、どのみち日本基準の理解は必要になってきます。

同僚曰く、日本の会計士の場合は補修所や最後の修了考査の段階で開示について結構勉強するらしく、その段階でプロとして仕事ができるレベルまで知識を持っていけるとのことなのですが、USCPAの場合はそういった強制的に勉強できる機会はないので自分で何かしらやらないといけません。年次が上がって開示に弱いのはなんとなく情けないものです。

勉強方法としてはこんな感じの監査法人が出している会社法開示についての書籍を読むことをオススメします。

会社法決算書の読み方・作り方(第12版)

会社法決算書の読み方・作り方(第12版)

会社法開示についての説明書は多く出版されてますが、監査法人で勤める人は各監査法人が監修したものを使うといいでしょう。

事務所にも置いてあるものですが自分用を買っておくとヒマな時に読めていいですよ。

3. 英語のブラッシュアップ

これは言うまでもないです。

相当な時間をかけて英語の試験を突破しているだけあってUSCPAの英語力は抜きんでて高めです。Big4のどの法人も入所時に英語のテストがありますが、USCPA組は結構な高得点を取れており英語力ではそこそこ目立てます。

なので個人的にはUSCPAは最初は英語力でアピールをしておくことを推奨してます。ちょっとした海外とのやり取りとかを主査や年次が上の英語が苦手な人に代わってやるだけで評価は結構上がるはず。

ただ、常に英語を使う訳ではないので、なにもブラッシュアップをしないで年を重ねるとあれだけ勉強した英語力も恐ろしいことに色あせてくるもので。。。

外資系企業の主査を務める段階になっていざUSCPAっぽく本格的に英語を使おうとする段階になって、それなりに自分の英語力が下がっていることに気付いて焦りだします。

試験の時はスラスラ読めてた英文も読むのが遅くなったり、せっかく覚えて会計用語も怪しくなってきたり、親会社との電話会議でなんか言葉が出にくくなったりとか。

対処法としては各法人に英語をブラッシュアップするためのプログラムがあるのでそれを利用して英会話学校に通うなりするといいですよ。

そこそこ高いレベルで英語力をキープする努力は必要です。

これは別にそこまでやらなくても大丈夫そうなこと

PCスキル

日々の業務で使うPCのアプリケーションのは95%がExcelです。(実際は監査調書ツールを使いますが、ツールの中でexcelを開いてそこに調書を作っていきます)。

なので、Excelが苦手な人は作業速度が遅くなり、致命的に微妙な人という評価につながりやすいもの。

最低限出来てないとヤバいのはこれ位。

・基本的な関数(vlookup、sumif、ifを使って色々組み合わせるものとか)
・ピボットテーブル

前職がある人だとこのレベルでいいの?って言いたくなる位に楽勝なレベルですが、数年監査法人で働いてみてもこれ以上のものってそこまで使ってない気がします。

得意な人は独自でマクロを組んでなんかすごいことをやっている人もいますが、それができるのは数十人に1人位のスペシャルな逸材です。そんなことが出来る方は数える程(っていうか私は2人)しか見たことありません。

よく入所してマクロを勉強したいなんて言う人がいますが、それよりもまずは目先の仕事ができるようにそのための知識を学ぶべし。

まとめ

USCPAが監査法人で勤めるにあたって年次の低いうちに学んでおいた方がよかったと思うことって色々ありますが、結局は日本の試験を突破した会計士との知識の差を埋めるためのものばかりです。

監査法人もそれなりに忙しいので日々の業務で手一杯になるもので、なかなか業務後に勉強とかするのは難しいものですが後々困らないように入所後もある程度の努力は必要です。

なかなか厳しい世界ではありますが監査法人で勤めたい方は入所後も頑張って下さいね!!