監査法人は一般事業会社の経理と違って一か所でデスクワークをするのではなく、クライアント先に出向いて仕事をするのが一般的。
たまに事務所で作業をすることもありますが月に数日もありません。大体外にいます。
とは言え年間を通じて同じクライアントに張り付いているかと言うとそうでもなく(大規模なクライアントならあり得るけど)、普通はいくつかのクライアントを掛け持ちしているものなので週替わりで色々な会社に行ってます。
そこで今回は監査法人で働くUSCPAのとある1ヶ月のモデルスケジュールをご紹介いたします。どんな1ヶ月を過ごしているのか見てみて下さい。
監査法人で働くUSCPAのとある1ヶ月のモデルスケジュール
こちらはとある月のスケジュール。
上場企業A社に外資系企業B社の2社に行きつつ出張や研修の日も入っているありがちな1ヶ月です。
そんなスケジュールをちょっと突っ込んでみると補足をいれつつ説明していきます。
もちろんフィクションですが手前味噌だけど結構リアルに作ってます(笑)。
*1 - 休日出勤あります
この週のは上場企業Aの四半期レビュー中。
四半期レビューは監査ではないためそこまでがっつり監査手続きをする必要はないのですが、レビューの結果報告が翌週に控えている為ラストスパートをかけて休日出勤です。
ただ、休日出勤といっても会社に行ってチームのみんなで一緒にする訳でもなく各自家でやったりすることが多いです。集まるとなると出勤時間ももったいないし。休みの日にそれは正直勘弁です(笑)。
監査法人でも世の中の働き方改革の波は押し寄せてますが、監査の場合は意見日や結果報告日などのDue dateについてはクライアントの都合もあって絶対です。
なので、期日が迫ってきたら残業や休日出勤してでも終わらせるように働くのが普通です。クライアントにまだ終わりません的なことを言って延長してもらうとかはあり得ない世界です。
人員を増やしたらいいのではと思う人もいるでしょうが、残念なことに人手不足のこのご時世なのでそれも難しい話。
*2 - 遅くまで残業することもあります
もはや常識です(笑)。
クライアントや時期にもよるけど普段から残業は普通にあります。大体7時・8時位まででしょうか。
いつもはそれ位で勘弁してもらえる残業ですが、監査報告やレビューの結果報告前はさらに遅い時間まで残業もあり得ます。
役職が上がれば上がる程仕事の裁量も増えていくため、それに比例して残業が増えていくイメージ。
ただ、シニアスタッフまでは残業代がちゃんと支給されるのでその点は悪くないです。残業代事情は相当にホワイトではないかと。昔のことは知らないのでなんとも言えないのですが、今は仕事をした分はちゃんと付けさせてくれます。
監査法人ワークのビジーシーズンがどんな感じかは以下をご覧下さい。
*3 - 有給は結構自由にとれます
上記の残業事情だけ切り取るとブラック感が若干醸しだされる監査業界ですが、スケジュールが空いている時は有給取り放題!!。
土日祝日とくっつけてちょっとしたプチ休暇を楽しむ人も多いです。私もそんな感じでちょいちょい旅行を楽しんだりしてます。
たまにそんな空いた日に溜まった仕事を片付けないといけなくなる不幸なこともあったりするので、日々の仕事のToDoの管理やタイムマネジメントが大切になります。
*4 - 仕事がダブルブッキング状態
この週は外資系企業Bのフィールドワークと上場企業Bの支店往査がブッキングしています。
こういうのは日々よくあること。ダブルどころかトリプルブッキングしてることだって意外とよくあります。売れっ子の芸能人みたいですね。
そういった時はそれぞれのクライアントジョブの主査やさらに上のマネージャーが相談してどうするかを決めてくれます。
ブッキングしている仕事のどっちかがあまり気乗りしない方だと、行きたい方の仕事の主査に必死にお願いしてそっちで取ってもらうように工作するのも良く見る光景です。いくつも仕事を抱えているとどうしても会わない仕事なんて普通にあるからね(苦笑)。
*5 - 遠出の出張の前日は前泊することも
出張往査の場合は前日に現地まで行って前泊したりします。
一見楽しそうにも見えるけど、その日の仕事が終わって次の日からの現場がある町まで移動するのはちょっとしんどかったりもします。
ホテルに23時過ぎに着くなんてこともあるので体力的には微妙なこともあるのですが、それでも当日に東京から朝早くに移動して現地に向かうよりはよっぽどラクです。
ちなみに私は飛行機や新幹線の中でよく爆睡しています。その日の仕事の緊張感がいい感じに切れてリラックスできるんですよね(笑)。
特に棚卸立会で1人で行く出張とかだと相当に気が緩んでます。移動は仕事じゃないし、相当に旅行気分。
逆にお偉方と一緒の出張だと相当に気が張ります。
当然複数人で行く時なんかも座席はバラバラなので全然いいのですが、それでもくつろぎ過ぎている姿は見せれないなと誰がどこにいるかなんて意識しちゃうんですよね(苦笑)。
*6 - 出張後の延泊で息抜き
この辺はどの会社でもよくあることですが、出張後に延泊して息抜きして帰るなんてことも。
個人的にはこれをやると出張後にご褒美が待っていることもあって仕事に気合が入ります。
現場での仕事が終わり次第休み突入ですからね。
*7 - 研修の日
たまにスケジュールの中に研修なんてのも入ってきます。
研修も集合研修にe-learningと様々な形態がありますが、スケジュールに入ってくるのは大体集合研修。
お金をもらいながら勉強ができるのでとてもありがたいことなのですが、抱えている仕事との兼ね合いで研修が邪魔に思える時もよくあります。と言うか年次が上がっていくと大体みんなそう思ってます。
ちなみに私の研修の醍醐味は久しぶりに同期と会うこと。あまり事務所にいない毎日なのでこういう機会でもないと会えないし貴重な時間です。
また、監査法人の研修はUSCPAのCPEにも認定されますよ。
*8 - 棚卸立会のヘルプ
基本的には関与する仕事は年間を通じて変わらないのが一般的なのですが、人手が足りないクライアントジョブのヘルプに回ることも。
特によくあるのが棚卸立会のヘルプ。クライアントがたくさん在庫の保管場所を持っている場合はどうしてもチームメンバーだけでは人が足りずヘルプを依頼します。
仲のいい主査や同期から直に声がかかったり、アサインを管理している部署から依頼が来たりと頼まれ方は様々ですが、直に声がかかった場合は結構おいしい案件にありつけるケースが多い気が(笑)。やっぱりいい話ってのは身内に回りやすいものですね。
逆にアサインを管理している部署から依頼がくる場合は玉石混交状態。もちろんこれも仕事なので文句は言えませんが。
単発の仕事ってことであまりハードな仕事を頼まれることもなく、責任もそこまで追う必要もないためまったりとマイペースでやれるのが醍醐味ですね。
メリハリのある結構融通が利くのが魅力です
監査法人は残業や休日出勤をやらなくてはいけなくなる若干ハードな部分もありますが、仕事をちゃんとやってればそれ以外の部分は結構フレキシブル。
外回りの営業マンと事務職のいいとこ取りといったところでしょうか。コンサル等のプロジェクトベースで動く業種と大体同じような働き方です。
これはなかなか一般事業会社の事務職ではできないこと。折角のいい環境ですので上手く生かしてワークライフバランスを上げていきたいものですね(その割には残業は多いですけどね)。