現在外資経理で働いていてUSCPAを取得したら監査法人に行ってみたいって人も多いかと思います。私も外資経理マンから監査法人へ移ったくち。
経理から他の経理に転職した時には会社のカルチャーの違いこそ違うけどそう大きな変化を感じなかったものですが、外資経理→監査法人の転職は色々な面での違いを相当に感じました。
そこで今回は外資系経理職から監査法人に行って驚いたことベスト5をお伝えいたします。
- 第5位:同じ部署だけで数百人。同期も数百人。
- 第4位:仕事が入っていない日は本当に何もしなくてOK!!
- 第3位:みんな協力的で教えるのが大好きでものすごく優しい
- 第2位:監査と言う仕事の社会的影響力の高さ
- 第1位:みんなが終わるまで終われない
第5位:同じ部署だけで数百人。同期も数百人。
経理はバックオフィスという事で限られた人数の中で仕事をしますが、監査法人の場合だとどの法人も数千人規模のため同じ部署だけでも数百人がいたりします。
そうなると当然起こるのが顔と名前が一致しない問題。
私は入社して数年が経ちますが顔と名前が一致しない方はまだまだいます。噂話の中だけでしか知らないとかざらにある話。
また、同期も数百人単位でいたりします。経理マンの時は同期はいなかったことを思うとスケールの違いにただただ驚くばかり。
同じ仕事をしている同期は苦労を分かち合える本当にありがたい存在です。
第4位:仕事が入っていない日は本当に何もしなくてOK!!
これは以前にも記事を書いたことがありますが、仕事が入っていない日は本当に何もしなくてOKです。
普通の会社ではまずあり得ないことなので最初は事務所にただいるだけ本当に許されるのかとちょっとドキドキしたものです。
この人手不足のご時世にそんな日はあまりやってこないのですけどね(苦笑)。もちろん年次が上がってくるとやるタスクも増えるので仕事が入ってない日に一気に片付けたりして結局何かしらの仕事をやってます。
第3位:みんな協力的で教えるのが大好きでものすごく優しい
プロフェッショナルファームをイメージすると、とにかくアップオアアウトで競争が激しくて周りを蹴落としてでも自分は勝ち上がっていく的なことを想像する人も多いかと思います。
医者で言うところの白い巨塔や弁護士だとアメリカの法律事務所のドラマ的なあのイメージです。
監査法人はどうかと言うと全くもってそんな雰囲気はなし(医者も弁護士の世界もそうなのかもしれませんが)。
大体の人が優しいです。もちろん中には怖そうなオーラを出してうーんとなる人もいますが、それはどの世界にも絶対にあること。
むしろ分からないことを聞きに行っても丁寧に教えてくれる方が圧倒的に多いです。少なくとも足を引っ張って云々、、的なことはまずないかと。
だからと言って何でも聞きに行くのはもちろんNGです。自分で調べてから行きましょう。これは大事なマナーです。
第2位:監査と言う仕事の社会的影響力の高さ
これは年次が上がってきて少しづつ感じ出したことなのですが、監査と言う仕事の社会的影響力の高さは外資系経理マンの時とは格段に違います。
外資系経理マンだと決算をやって親会社に報告をすればそれでおしまいなのが一般的。
しかもちょっと位間違ったとしても親会社から問い合わせがあったりして何とかなったりするものです。意外とその辺はヌルいのです。そんな訳で外資系経理マンの場合は社会的影響力がどうとかはまず意識しないものです。
同じ経理マンでも有報等を作る上場企業の経理マンなら自分たちの社会的影響力の高さを感じているものかと思います。こちらは別格です。
監査の場合はどうかと言うとそもそもの仕事が『財務情報が適正に表示されているかどうかについて、独立した立場から意見を表明するもの』というもので、しかもその意見はちゃんと世間に公表されるというところに大きな責任が生じます。
例えば自分たちが開示をチェックした決算短信や有価証券報告書は世間に公表されるものなので、当然チェックに間違いは許されないとか。終わった後に実は間違ってましたとかあると絶対シャレにならないです。
この辺は私がまだまだ下っ端ってこともあってまだまだ完全には実感しきれていないものですが、上の役職に行けば行くほどもっと多くの社会的な影響力を感じるものだと思います。
第1位:みんなが終わるまで終われない
私的なダントツ第1位はこれ。最初はこれに戸惑いました。
外資系の場合は普通Job descriptionでそれぞれの人の役割が明確に分けられているのが一般的。
日系企業なら上司が終わるまで帰れない的なのが当たり前なのかもしれませんが、外資系だと自分の仕事が終わったらさっと帰るものです。
そもそも外資の場合は社長や上司に外国人がいたりするので彼(彼女)らが率先して帰っていくので比較的帰りやすい雰囲気はあったりします。
で、監査法人はどうかと言うと残念なことにまだまだこの辺はドメスティック。基本的には主査が号令を出すまでは帰れません。
日本の会計士の場合だと補修所があるから先に上がることもあるけどUSCPAには当てはまらない話。ちなみに補修所もなかなか面倒な存在らしいのでむしろ大変そうです。
もちろん用事がある時は伝えれば全然帰れるものなのですが、それ以外の普通の日に外資時代の時の様に定時も過ぎてるし自分の仕事も終わってても「お先です」なんて言って颯爽と帰れる雰囲気でもない感じ。主査業務はやらないといけないタスクが相当にあるため忙しそうにしている先輩を見ると(しかも大体の方は優しいので尚のこと)何となく帰るのも憚られます。
ちなみに自分が主査になってからもやはりそういった雰囲気を出しているみたいで、私のチームのスタッフがすごく気遣ってくれるのを感じます。
そして極めつけが期末監査時期。
この時と言うのは意見日も迫ってきている中でどのクライアントチームも殺伐としている最繁忙期。3月決算のクライアントならゴールデンウィーク返上で戦い抜く大事な時期。
と言う訳で、本当にみんなが終わるまで終われません。
自分に振られたタスクを終わらせても(ある意味)エンドレスで他のタスクが振られてきます。もちろん当初のタスクからプラスαでこなした分については最後の人事考課で大幅な加点となって報われるのでご安心下さい(笑)。
私は昔このことで大失敗したことがあります(苦笑)。
それは外資から転職して最初の年のこと。
まだその辺の感覚が昔のままだったってこともあり、期末監査中にもかかわらず自分のタスクが終わったからってことでさっさと帰ったことがあったのですが、、、
当然主査はおかんむり状態。
翌日チーム内に漂う気まずい空気。相当にやっちゃったなってのを感じた出来事でした。
今になって思うとその時に変なレッテルを貼られなかっただけでもラッキーだったと思う出来事です。USCPAは目を付けられやすいからね(苦笑)。
大事なのはとにかくチームで仕事をしているということを意識することですよ!!