USCPAがやじやじしてる

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高度プロフェッショナル制度って会計士業界にもやっぱ適用されるのか

最近(2018年6月時点)よくTVやYahooニュースでよく見かけるようになった気がするトピックが『高度プロフェッショナル制度』について。

残業代ゼロ法案なんてキャッチフレーズ(?)で結構多くの人が知っているこの法案です。

延々と続くモリカケの話とか落としどころがもう分からなくなっている日大アメフト部問題など大体のニュースは誰にとっても他人事のような感じですが、このニュースは監査法人で働く会計士業界的には他人事ではないはず。

これが会計士業界に適用なんてされたら個人的にはたまったもんじゃないのだけど。

ちょっとこれはよく知っとかないとってことで、今回は高度プロフェッショナル制度について会計士業界と絡めて見ていきましょう。

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そもそも高度プロフェッショナル制度とは

そもそも高度プロフェッショナル制度とは何なのか説明できます??

敵(?)を知るためにも内容を知っておかないと、ってことで厚生労働省HPで高度プロフェッショナル制度についての報告書をチェック。

4 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、その意欲や能力を十分に発揮できるようにするため、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象として、長時間労働を防止するための措置を講じつつ、時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用を除外した労働時間制度の新たな選択肢として、特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)を設けることが適当である。
出典:厚生労働省 【別 紙】今後の労働時間法制等の在り方について(報告)より

上記は報告書に載っている一番最初の文章なのですが、もうなんか早くも将来が不安になるワードが目白押しです。

『時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズ』って。。。

大体の仕事って成果で評価されるんじゃないのかって言いたくなりますよね。むしろ時間で評価をされる仕事ってあまり聞かないような。

このパラグラフで気になるワードはこちら。

一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者

年収要件は一旦さておき、職務の範囲が明確で高度な職業能力なんて観点で見てみると、会計士もそうだし、医師や弁護士など資格で独占業務を認められている職種については大体職務の範囲が明確で分かりやすく専門職ということもあり(一応)高度な職業能力を有してるって言えますよね。

独占業務なんてまさに職務の範囲を明確にしないと定義することが出来ないものですし。

厚労省の報告書をもっと読んでみると対象業務としての例が載っており、こういった職種が挙げられてます。

・ 具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等

コンサルタントの業務』と監査法人がやっているワークがばっちり載ってます。あーあ。

監査こそ入ってないけど、コンサル業務が入っているのだから、監査法人も高度プロフェッショナル制度を取り入れる可能性は大いにありそうですよね。

強いて言えば『一定の年収要件を満たし』って点が最後の砦的な感じになってくるのでしょうか。

このことについて報告書に載っていたのは以下の通り。

・ また、対象労働者の年収について、「1年間に支払われることが確実に見込まれる賃金の額が、平均給与額の3倍を相当程度上回る」といったことを法定した上で、具体的な年収額については、労働基準法第 14 条に基づく告示の内容(1075 万円)を参考に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で規定することが適当である。

1,075万円が適用基準になるとのこと。

監査法人の給与水準で言うとマネージャー以上のクラスからってことになるのでしょうか。

少なくともスタッフ、シニアスタッフの内は到達する年収ではないはず。

シニアで相当に残業をしたら行くのかもしれないけど、そんな人はごく少数です。なので、スタッフである内は適用されるってことはないのでしょうけど、マネージャー位から適用されるのは結構リアルな感じがします。

時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用を除外

で、この制度を取り入れるとどうなるかというと、時間外・休日労働が認められて、時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用を除外することができるという、明らかに経営者がトクをするだけの条件の下で働くことになるということでしょうか。

これは結構しんどい内容です。

年収的にシニア位までは適用外なのでしょうが、3月決算企業の期末監査なんてゴールデンウィークを犠牲にして仕事をしないといけない中、その見返りとしてもらう割り増しされた休日出勤手当を心の支えにしているようなものなので(まあ、この業界は残業代とかちゃんともらえるところはホワイトな部分なので)、それがなくなると考えると相当にモチベーションは下がりそうです。

で、リアルに適用されてもおかしくないマネージャー以上で見てみると、時間外・休日労働が認められたりしたら過労死とかするんじゃないかと相当に心配です。今でもマネージャー以上の方は繁忙期に命を削って働いてるように見えるし。

経営陣的には相当に魅力的な制度だけど。四六時中働け的な。

逆にマネージャーサイドで見てみるとやっぱりたまったもんじゃないような気がします。

個人的な意見としては

普通に嫌に決まってんじゃん

残業代ゼロ休日も返上してひたすら働くとかたまったもんじゃないし。

もちろん一生懸命に仕事をしてスキルを磨くことは大事だけど、この制度下だとやっぱり仕事に結構ウェイトを置いた毎日になりそうな感じでアンバランスな人生になりそうですよね。

ある程度オンとオフのメリハリをつけた働き方が一番パフォーマンスがいいと考えているのでこの制度には反対です。

まとめ

今回の話を簡単にまとめるとこんな感じ。

会計士は『職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者』だよね。

1,075万円の年収を超えるのは大体マネージャー以上。ってことは適用もマネージャー以上??

残業代ゼロで休日も働かされるとかマジ勘弁。

個人的には反対です(笑)

会計業界で働く人だけでなく、どんな業界であっても従業員にとっては少なくとも得になる話ではないね(笑)。

会計士業界で適用されるかどうかはまだはっきり分からないものですが、この不安も杞憂に終わってくれるといいなあ。。。