「羽生結弦選手が4回転ルッツを決めた!!」的なフィギュアスケートのニュースが出てくると冬が来たなと思います。
冬のスポーツの中でも人気があるフィギュアスケートですが、採点競技ということもあってTVを見て感じた演技の印象と最終的な順位がマッチしにくいという点が分かりにくいところ。
オリンピックで浅田真央ちゃんが最強の必殺技のトリプルアクセルを決めてもキムヨナ選手に負けた的なやつです。
その辺は採点方法にちゃんと理由があるようなのですが、スポーツとしてはなんとなくもやっとしてしまいますね。
フィギュアスケートの採点方法について考えれば考える程、会社の人事考課と似ているなあとすごく思うので今回はそのことについて述べてみます。
フィギュアスケートの採点方法
フィギュアスケートの採点方法はとても独特です。
試合結果を見てみると分かりやすいのですが、フィギュアスケートは技術点(下記TES)と構成点(下記PCS)の2パートから採点されます。その配分はどの選手も不思議と大体半分づつ。
出典:2017 ISU Grand Prix of Figure Skating - Rostelecom Cup 2017 男子シングルフリー結果
そもそもフィギュアスケートを分かりにくしている原因がこの謎の採点方法。技術点と構成点を説明すると以下の通り。
技術点(Technical Element Score)
こちらは誰でも分かりやすい行った技に対しての点数です。
それぞれのジャンプやスピンに対して得点が付けられており決めるたびにドンドン加算されていきます。行った技についても評価が行われてBase Pointに加減算されていくという若干恣意的な部分はありますが比較的単純明快ですね。
こちらはジャンプの得点表の一部です。このようにそれぞれの技に点数がついてます。
出典:国際スケート連盟HP
これはスポーツらしい分かりやすい項目ですね。ちなみに羽生結弦選手の4回転ルッツは一発13.6点の大技です。
構成点(Program Component Score)
コアなファンしか絶対分からなそうな謎の部分です。
評価項目が以下の5項目に対してそれぞれ10点満点で採点がされて、種目ごとに係数(男子シングルのフリーなら2.0)をかけた数字が得点となります。
・スケート技術(Skating Skills)
・要素のつなぎ (Transitions / Linking Footwork)
・動作/身のこなし (Performance / Execution)
・振り付け/構成 (Choreography / Composition)
・曲の解釈 (Interpretation)
スケート技術はまだ分からなくもないのですが、振り付け/構成や曲の解釈なんてのは採点しにくい部分ですよね。相当に恣意性が入ってくる部分であることは間違いないです。
最初に載せた表で見ると選手によってそれぞれの項目で6点台~9点台まで幅がありますが、その理由をちゃんと説明できる人ってのはほとんどいないのでしょうか。
この辺りはスポーツと言っていいのか怪しい部分ですね。
フィギュアの採点と人事考課が似ている点
フィギュアスケートの採点と人事考課は非常に似ていると思うのは以下の点です。
・定量的評価と定性的評価が混在する
・人間が判定するということで不明瞭な点が残る
定量評価と定性評価が混在する
先程説明したフィギュアの採点方法は技術点と構成点で採点されますが、人事考課も実は似たような評価方法がなされます。
人事考課は「今年度はXX円の売上を達成する」的な絶対的な数値で判定する定量的評価と、「お客さんの満足度を上げる」的な数値では評価できない部分で判定する定性的評価の両方を用いて評価を出すのが一般的です。 (基本的には定性評価においても数値目標を含めることで定量化させることを会社も推奨しています)
と、いう事は仮に定量的評価がいくら良くても、定性的評価がさらにいい人の方が評価が上なってしまうということも起こり得るということですね。サラリーマンドラマでありがちなゴマスリが上手い人が出世する構図そのものです。
人間が判定するということで不明瞭な点が残る
人事考課もフィギュアにしてもどちらも人間が評価を下すため、どうしても不明瞭な点が残ります。
特に定性的評価については上司の主観的な判断で決める要素が入ってくるものなので、上司に気に入られているかどうかでかなり評価は変わってくるものです。
以前、人事考課判定に納得していないっぽい人が上司(と思しき人)に熱く問いただしている現場を目撃したことがあるのですが、彼の「なんでこの評価なのですか」の質問に対する上司(と思しき人)の回答が「君のことを総合的に判定して」という全く答えになっていないことだったのを見てなんとも言えない気持ちになったことがあります。
多分上司は部下のことをあまりお気に入りではなく、なんとなく評価を付けたのが良く分かる一コマでした。
サラリーマン的には明日は我が身。やはりゴマスリはしておくに越したことはありません(苦笑)。
余談ですが、フィギュアの採点を見ても構成点が低い人については審判からあまり好かれていないのではないかと余計なことを思うようになりました。
羽生結弦選手の姿に出世の糸口が見えるのでは
フィギュアの採点と会社の人事考課はそれなりに似ているという事は、フィギュアのチャンピオンの振る舞いに普通の人の出世の糸口が見えるのではないでしょうか。
言うなら羽生結弦選手はサラリーマンのロールモデル。相当に出世のヒントが隠されていると考えられます。
この辺りは私自身も興味深いのでちょっと調べてみます。宿題にさせて下さい!!
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